輝かんばかりの笑顔で友を出迎えたカネツグは、

「よく来たな! ミツナリ、ユキムラ! さっそくだが焼き芋をするぞ!」

玄関先にて高らかに宣言をした。






焼き芋日和と秋の空






 間の抜けた短い沈黙の後、ユキムラが思い出したように挨拶を始めて、ミツナリは開いたままの口を慌てて閉じた。ユキムラの足元で、彼の主と同様に、ヒトカゲが深々と頭を下げている。
 お久しぶりです、カネツグ殿。本日はお招きいただきありがとうございます。なんのなんの、遠いところわざわざすまなかった。ゆっくりしていってくれ。
 二人に比べればまだまだ背の低いミツナリの頭上を、和やかな声が飛び交って、そうか、今のは聞き間違いだったか、とミツナリはそっと胸をなでおろす。ロコンが不思議そうに主を見上げた。

「それで、焼き芋の役割分担なのだがな」
「聞き間違いじゃなかった!」
「何を驚いている、ミツナリ」

 勢い余って声を荒げたミツナリを尻目に、カネツグは朗らかに笑いながら、用意していた軍手をはめている。カネツグの身なりをよくよく見れば、いつもの落ち着いた着物でも、純白の目立つイクサ装束でもなく、汚れを気にしなくて良い作務衣に、少々土のついた長靴といった体で、極めつけに使い古した手ぬぐいが頭に巻かれていた。とても客人を出迎えるような装いではない。
 その気合の入れようにカネツグの本気を感じ取って、ミツナリは冷ややかな声で問うた。

「なぜいきなり焼き芋などと……」
「私が食べたいからだ」
「……は?」
「私が食べたいからだ」

 明瞭な発音で、カネツグはきっぱりと言い切った。その横でフーディンが胸を張っていて、ミツナリは思わず閉口した。ユキムラはと言えば、わずかに首を傾げ、きょとんと口を開けている。
 カネツグは、うむ、と何故か満足そうに頷くと、そのままきびきびとした足取りで外に出て、玄関前に立てかけてあった竹箒を手に取った。

「先日はひどい嵐だっただろう? うちの庭もご覧の有り様だ」

 秋の空は変わりやすいのが常だけれども、いかんせん機嫌が悪かったのは事実で、日頃、丁寧に手入れされていた庭先は見るも無残だ。風流な枝ぶりの木々はぽっきりと折れてしまっているものも見受けられるし、堪えきれなかった紅葉は悲しげに散らばっている。瓦すらも強風に負けたのか、何枚か剥がれ落ちてしまっていて、屋根には梯子が立てかけられていた。
 カネツグがさも困ったようにため息をつくと、フーディンはスプーンの代わりに手に持った、秘伝の掃除棒を握りしめ、主の仇でもいるのかといった鋭さで庭をにらみつけた。趣味、特技、生きがいが掃除のフーディンにとって、現在の庭の惨状は目に余るようだ。

「客人が来るのにこれはいかんと思ってな、フーディンと共に修繕と掃除をしていたのだが」

 掃除愛のエスパーポケモンが、うんうん、と激しく頷いている。その隣、舞台役者のような抑揚で、カネツグは言葉を続けた。

「瓦を直しに屋根に上った私は思ったのだ……」

 カネツグの言葉に不思議と熱がこもっていくのを感じて、ミツナリは頭を抱えたくなった。

「ところ狭しと落ちた枯れ葉! 嵐のあとの澄んだ空気! 透明感のある高い空!」

 感情の高まりと共に手振りも大きくなり、仕舞いには竹箒がぶん、と振り下ろされる。足元にいたコマタナがすんでのところで白刃取りをした。ロコンが抗議するようにぐるぐるとカネツグの周りを回るが、カネツグお得意の演説は、もう誰にも止められない。

「漂う秋の風! そう! 今は食欲の秋! 私は!」

 くわっと目を見開き、ぐっと拳を握りしめて、

「私は焼き芋が食べたいと……っ!!」

カネツグは滔々と言い放った。やりきった男のすがすがしい顔がそこにはあった。
 本日二度目の、間の抜けた空気が流れる。フーディンが大きく拍手を始めて、つられたユキムラとヒトカゲも小さく手を叩いた。それがまたミツナリの空しさを誘った。

「……うん」

 ミツナリは何とか声を絞り出すと、できる限りの冷静さを舌に乗せる。

「論理がひどく飛躍したが、わかった」
「そうか! さすがだなミツナリ! ならばこれをお前たちに託そう!」

 カネツグが渾身の笑顔で竹箒を突き出すと、箒にしがみついたままだったコマタナが無情にも放り出された。ロコンが慌てて駆け寄って、心配そうに鼻を寄せている。竹箒を押し付けられ、とっさに受け取ってしまったユキムラが困惑に目を瞬かせた。

「カ、カネツグ殿、これは」
「私はこれより芋の準備に入るゆえ、二人には枯れ葉集めを頼む。心配するな、集め放題だ」

 庭に溢れた落ち葉を、カネツグは得意げに指し示す。いささか分厚いが、形の良い口元からのぞいた歯がきらりと光ったのが、ミツナリには腹立たしかった。

「…貴様は客人に掃除をさせるのか」
「細かいことを気にすると大きくなれんぞ、ミツナリ」
「余計なお世話だ! おい、ユキムラ、黙っていないでお前も何とか言え」
「焼き芋とは風情がありますね」
「…そうだな」

 頼みの綱のユキムラに、迷いなくのほほんと言い返されて、ミツナリはどっと脱力した。ここは諦めて、落ち葉集めに尽力せねばなるまい。ミツナリはどうにも、この純真で真面目な男に弱かった。その様子を見てとったカネツグが、よしよし、それでは任せたぞ、と門の方へ足を進める。いつの間にか掃除棒をスコップに持ち替えたフーディンが颯爽と後に続いた。

「お、おい、カネツグ、何処へ行く」
「ん? 言っただろう、芋の準備に入ると」
「は?」
「今から芋掘りだ」

 今更何を言っている、まったくミツナリはおかしなやつだな、はっはっはっ、とでも言いたげな口ぶりに、もはや何も言い返すことができず、ミツナリは肩を落とした。何やら気落ちしたミツナリを見たカネツグが、ハッと息を呑む。眉を寄せて目線を落とし、うろたえたように震える手を口許に当てた。顔も心なしか青ざめている。

「もしやお前も芋掘りが良かったか? どうしてもと言うならば代わるが…」
「誰もそんなことは言っていない!」

 ミツナリの会心の否定を右から左へ受け流し、カネツグは苦悩に身体をよじりながら、

「よし、お前の希望を切り捨てることは私にはできぬ、ここは友であるお前のために一肌脱ごう! あぁ! だがしかし私のこの芋掘りへの止めどなく溢れる愛は何処へ行けばよいのだ! いや、そんな些事よりもお前への義を貫くのが真の友というもの! さぁ、ミツナリ、この長靴を使い、畑への偉大なる一歩を」
「そんなに行きたいならさっさと行け!! うっとうしいのだよ!」

 ぴしゃりと言い放つミツナリに、予期せぬ援護射撃が入る。

「カネツグ殿、良いのです! 譲ってくれずとも良いのです!」

 しかし、ユキムラのその目は、そんなにもミツナリ殿のことを思っているのですね、さすがですカネツグ殿、と感動にうち震えていて、あぁもう突っ込みきれないオレは疲れた、とミツナリは気が遠くなった。
 それにミツナリ殿にその長靴は大きすぎます、おお、私としたことがウッカリしていた、だなんて茶番を聞かなかったことにしながら、ミツナリは未だに地面に転がったままのコマタナを抱き上げた。怪我はないようだが、鋭利な手がプルプルと震えている。全く、カネツグめ、力いっぱい降り下ろしたな、とそっと頭を撫でてやると、ミツナリはふと視線を感じた。
 ヒトカゲが、じっとこちらを見ている。目が合うと、あたふたと視線をそらし、カネツグとのくだらない芝居に興じているユキムラの影に身体を寄せる。そのまま物言いたげにユキムラを見上げたが、それは一瞬のことで、ヒトカゲは諦めたように小さくうつむいた。ユキムラは、そんなヒトカゲを、瞬間視界に納めて、またカネツグに顔を向けた。向けた、が、目には隠しきれない動揺が浮かんでいる。
 ミツナリが声を掛けようかと逡巡したところで、

「そうだ! 二人とも!」

茶番劇を切り上げたカネツグが明朗な声を張り上げて、

「まだ何かあるのか!」

ミツナリはその機会を逸した。カネツグは己の名案に目を輝かせている。

「しばしポケモンたちを貸してもらえぬか? 私とフーディンだけでは芋を運ぶのに心もとない」
「待て、どれだけ掘ってくるつも、り…」

 ミツナリの制止など聞く耳ももたず、カネツグはポケモンたちに同意を求める。

「お前たちはどうだ? そうかそうか! 協力してくれるか! では行こう! フーディン! ロコン! コマタナ! ヒトカゲ!」

 そうして、はい、も、いいえも聞こえぬうちに、ミツナリの腕の中のコマタナとユキムラの足下のヒトカゲをひょいと抱え上げ、意気揚々と畑へ向かってしまった。心配だったのか、尻尾を忙しく振りながら、ロコンが慌てて後を追っていく。

 嵐の後に、ぽかんとしたミツナリとユキムラが、ぽつんと残された。



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「まったく、なぜ俺がこのような……」
「まあまあ、ミツナリ殿」

 ぶつぶつと文句をたれながら、それでも律儀に手を動かすミツナリを、ユキムラはやんわりとなだめた。二人の近くには、こんもりとした落ち葉の山が築かれようとしている。

「確かにこの陽気では、焼き芋が食べたくなるカネツグ殿の気持ちもわかります」

 カネツグが主張した通り、空は高く澄み渡り、夏の厳しさを忘れた太陽が優しくふりそそいでいる。風が涼やかに二人の間を吹き抜けると、からからと枯葉が地を舞った。落ち葉山から散ったいくらかのそれを、ユキムラは丁寧にかき集めると、目を細めて空を見上げた。ミツナリは、その横顔をまじまじと見つめる。他人の容姿を褒めるようなことは滅多にないミツナリでも、整っていると評価せざるを得ない精悍な顔立ちがそこにはあった。
 イクサ場で会いまみえた時の、どこか思いつめたような影は、今は見えない。その代わりの穏やかさと、その奥に潜む寒々しさがぼんやりと浮かんでいる。
 ミツナリの視線にユキムラは顔を向けると、それに、私も食べたかったんです、焼き芋、そう言って笑った。柔らかさを直視するのが気恥ずかしくて、ミツナリはついと視線を下に向けた。

「……そうだな」

 なるべく自然に見える動作を心がけながら、竹箒を置き、大ぶりの枝を拾い集める。ユキムラもそれにならった。しばしお互い黙々と、作業にふける。ゆったりとした空間を楽しめる相手というものは貴重であると、改めてミツナリは思った。どうにも腐れ縁で、騒々しいバカと大バカ相手ではこうはいかない。掃除などそこそこに、竹箒を振り回して喧嘩し始めるのは目に見えている。
 今度は気付かれないようにユキムラに視線を送った。ユキムラは規則正しい動作で枝を拾い集めては、庭の隅に固めている。顔に先刻からの寂しげな色を再認して、そして放っておけない己を確認してしまって、ミツナリは目を泳がせる。口を開いては閉じ、開いては閉じを何度か繰り返して、言った。

「先程から浮かない顔だが」
「え! …いえ、そんなことは…」

 ぎょっとミツナリを振り返って、想定通り否定するユキムラに対して、なんでもないことのように、ミツナリは問う。今一度竹箒を手にして、枯葉を掃いた。散らかっていた庭は、幾分整然さを取り戻している。

「あるだろう、何だ」

 ユキムラは肩に緊張を走らせ、口ごもっている。別に責めて困らせたい訳ではないのだが、とミツナリは一人ごちた。優しく柔らかくと努めても、不器用さが勝ってなかなかうまくいかない。その場を和ませる意味も、本心を問う意味も、どちらも含ませて、ミツナリはミツナリなりの冗談を投げた。

「オレと二人きりは不服か」
「そんなことは決してありません! 私はミツナリと共にあれることを嬉しく思います!」

 予想外のユキムラの必死さに、ミツナリは目を瞠った。もらった言葉を頭の中で何度か反芻して、意味を理解すると、かっと顔に血が上る。ただ友人としての情を語られただけだというのに、言外の意味を想像して秘かに舞い上がった。
 そうか、それは、良かった、それだけどうにか返答してミツナリはユキムラにゆっくりと背を向け、地面を掃いた。砂がざっと動いて、線が描かれる。葉など落ちていなかったが、ユキムラは気付きはしなかったようで、

「そうではなくて、その…」

と、再び言いよどんで、しかし、友人の信に応えようと懸命に顔を上げた。

「…ヒトカゲは、無理をしているのではないかと」
「無理?」

 晴れないユキムラの声に、ミツナリは振り返った。ユキムラも少々気が上がっているのか、頬がほのかに赤い。

「遠慮、とも言うのかも知れませんが」

 ゆっくりと、ためらいがちに、ユキムラが言葉を紡いでいくのを、ミツナリはただ黙って見ていた。見ていてやりたいと思った。

「先程、ヒトカゲが私を見上げて、何か言いたそうにしていたのです。ですが」

ユキムラは言葉を切って、

「私が顔をやると、俯いてしまって」

苦く微笑みながら呟いた。ぽつり、ぽつり、ユキムラは続ける。ミツナリは何も言わない。

「…この間も、他のブショーがポケモンを抱き上げているのを、じっと見ていました。羨ましいのだろうか。私にはそう思えました」

 リンクして、日はまだ浅いですけれど、それくらいはわかります。わかっているのだと、思っています。自信なさげに繰り返すユキムラに、ミツナリはただ、うん、と相槌を返した。ミツナリの反応に安心したのか、ユキムラが目線を上げる。

「ですが、私と目が合った瞬間、ヒトカゲは私に向かって手を伸ばそうとして、やめたのです」

 常の凛々しい面が、頼りなくしょげていた。握ったままだった枝を、行き場をなくしたユキムラの手が途方に暮れるように弄る。

「それがなんだか寂しそうで、私もつい、躊躇ってしまって」
――甘えるのを、遠慮しているのではないか、と。

 心に溜まっていた言葉を吐き出して、ユキムラは小さく息をついた。そして苦笑いをする。すみません、こんな情けない話を聞かせてしまって、そう切り上げようとしたユキムラを、ミツナリがごく自然に遮った。

「ヒトカゲが遠慮していると言ったが、お前はどうなのだ」
「……え?」
「手を伸ばそうとしてやめた? お前が気にせず抱き上げれば良かっただけの話だろう」
「ミツナリ殿……」

 呆けたように佇むユキムラをまっすぐ見上げながら、ミツナリは静かに言葉を選ぶ。

「ヒトカゲはお前のパートナーだ。互いに遠慮してどうする」

 極力、刺々しくならないように。必要な言葉が、伝えたい思いが、すとんと心におちてくれることを秘かに願いながら。目の前の相手にはそう思ってしまう己が、面映ゆくて仕方なかった。

「お前が思うようにすれば良い。そうすればポケモンは応えてくれる」
甘やかしたければ甘やかせ。そういう時期も必要だ。

 結局堪えきれず、最後は足早に言い捨てて、ミツナリは歩き出した。掃除はもう十分だろう、あいつらが遅いのが悪い、休憩するぞ、言いながら、縁側に向かう。
 その背中に向かってユキムラは、参ったような、けれども明るい声で言った。

「ミツナリ殿は、大きな方ですね」
「…嫌みか」
「まさか、とんでもない! ミツナリ殿は小さくとも大きな方です!」

慌ててちぐはぐなことを言い始めるユキムラに、立ち止まったミツナリは、吹き出しそうな口元を制しながら肩越しに、言った。


「……誉め言葉として受け取っておく」

背などすぐに伸びるものだ、覚悟しておけ、そんな目論見を腹に納めて。



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「ミツナリー! ユキムラー!! 今帰ったぞー!!」

 縁側に二人腰かけ、カネツグの家人が気を遣って出してくれた茶をすすりながら庭を眺めていると、門の方から場違いなほど大きな声が聞こえてくる。すぐに姿も見えたこの家の主は、リアカーをがらがらと引きながら満足気だ。ポケモンたちも、ただいま、と言わんばかりに駆け寄ってくる。ただ、コマタナだけはリアカーの上でうとうとと船をこいでいた。山盛りの芋に囲まれて幸せそうだ。お帰りなさい、ユキムラが湯呑を置いた。

「遅い、いつまで待たせるつもりだ」
「それは悪かった。おお、落ち葉はばっちりだな! 今芋を洗って来よう。ロコン、ヒトカゲ、火の準備を頼めるか」

 どんな芋の掘り方をしたのか、顔まで土で汚れているカネツグが、ウキウキと芋を手に取る。

「それにしてもポケモンたちは大活躍だったぞ。ロコンやコマタナは芋を掘り返すのが上手だし、ヒトカゲもとても力持ちでな。みんな良く頑張ってくれた」

 にこやかな笑顔でカネツグがそう言うと、ユキムラも顔をほころばせた。なぜ私の名を上げない、とフーディンがトゲのある目でカネツグに念を飛ばす。
 おお、フーディン、すまん、お前が活躍したのは言わずもがなだろう。カネツグはそう言いながらフーディンのスコップを受け取った。
 言わずもがな。パートナーとはそんなものである。だが言って欲しい言葉も、言いたい言葉も、やはり変わらずそこにある、と、ミツナリは思わないでもない。

 おずおずと近づいてくるヒトカゲを、ためらいがちに、けれど力強くユキムラが抱き上げた。

「よく頑張ったな、ヒトカゲ」

ヒトカゲの顔がぱっと輝いて、ユキムラは声を上げて笑った。


















おまけ


 縁台に座って、ほくほくと芋をほおばりながら、上機嫌でカネツグは言った。

「うむ、すっきり掃除できたようだな。良かった良かった。」

 視線はポケモンたちと焼き芋の具合を見ているユキムラに向けられている。ヒトカゲやコマタナと一緒に木の枝で芋をつつくその姿は、実に楽しげだ。

「……知っててやっていたのか」
「何のことだ?」

 私は庭のことを言ったのだ。そう含み笑いをして、カネツグは一口芋をかじった。きれいに掃除してくれて助かった。感謝している。うむ。うまい。焼き芋は最高だ。

 食えないやつだ、とミツナリは口を曲げた。わかっていて、言わない。それこそ言わずもがなだろう、とでも物語るように。
 黙り込んだミツナリに、カネツグはにやりと口をゆがめて、

「ユキムラと二人きりで話せてどうだった」
「な、な、何を言って」
「そう恥ずかしがるなミツナリ! 恋とは素晴らしいものだな。うむ。良かった良かった」
「何を勝手なことを言っている! 貴様は黙って芋でも食っていろ!」

 すっきりと集められた落ち葉。嵐の後の澄んだ空気。透明感のある高い空。漂う焼き芋の、幸せな香り。













end.

















ミニなりとユキムラ、だいたいカネツグ。
ポケノブでも義トリオの三人がきゃっきゃうふふしてればいいなあ。
カネツグは空気は読まないけど、ものごとをよく把握してそうな厄介な男だと思う。だがそれがいい。











2013.2.16up